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システムトレーダー、ツチヤのひとりごと > 書評 > 「ヘッジファンドの売買技術」
2008年08月07日(木) 20:13 « 前の記事   次の記事 »

「ヘッジファンドの売買技術」

私が斉藤氏の著書を推薦したことで驚かれた方がおられるようだ。 だが、これは私のこれまでの主張を読んでいただければ別に晴天の霹靂などではなくてむしろ極自然な成り行きであろう。 これまでたまたま私は斉藤氏の著書を読んでいなかっただけのことであって、読んでいればとっくに推薦していたはずである。

繰り返しになるが、私がこの本をいいなと思うのは、そのわかりやすさである。 取り上げられている売買手法は、いわゆる「突っ込みで行き過ぎた銘柄を買う」アプローチであって、これそのものは珍しいものではない。 SP波動法に代表されるように既に10年以上前から人口に膾炙しているし、同じ「突っ込みで行き過ぎた銘柄を買う」アプローチの中でも、斉藤氏が著書で紹介しているデフォルトのルールが必ずしも最適なのではない。 

本で紹介されているルールは、斉藤氏が本文中にも書いているとおり、自分でコードをかけない人向けのものでネット証券のツールを使うことを前提としたものだから、切れ味が多少鈍いのは当然である。 よりよいものを望む人は自分で検証してオリジナルなルールを策定すればよいだけのことだ。

むしろこの本で見るべきは、そのわかりやすさと、随所に書かれているトレードやマーケット、あるいは分析手法に対する解釈や認識の正しさであろう。 斉藤氏が金融機関に勤務したこともなく、短期間に独自でこれだけの知見を得るに至ったことのほうが驚くべきことだし、実際にトレードで結果を出したならばそれは素直に賞賛すべきことではないか。
 
 
ところで、斉藤氏の著書とはずいぶん異なった相場書に「ヘッジファンドの売買技術」という書籍がある。 これはいわゆるシステムトレーダーの方であれば非常に興味をもち、かつ高く評価するであろう書籍である。

もちろん、私もこの「ヘッジファンドの売買技術」を高く評価するのにやぶさかではない。 だが、評価のポイントはおそらく全然異なるであろう。 私はこの本に書かれている内容の99.9%にはほとんど価値がないと思っている。 価値があると考えるのは2,3行の記述だけである。

だが、その2,3行の記述は非常に高い価値がある。 それくらい重要なことが書いてあるのである。 私の知る限り洋の東西を問わず、「それ」について記述してあるのはおそらく「ヘッジファンドの売買技術」だけである。 他ではまったく見たことがない。 だから、99.9%にはほとんど価値がないものの、その2,3行だけで十分に価値がある相場書だと思うわけだ。

しかし、少なからぬ数の方にとっては、その2,3行を価値があると認識することはあまりないかもしれない。 その場合は当然99.9%の部分のみに目が行って、評価は低くなることもありうる。 当然のことだ。 役に立たないほとんどの部分を読んで評価を下すのならば、駄本と認識されてもしかたがあるまい。 私も件の2,3行がなければそう断じたかもしれない。 このように、相場書の評価は読み手の立場によって極端に変わることもありえるのである。 

従って、私は「ヘッジファンドの売買技術」を多くの方には勧めない。 ほとんどの人にとっては読んでも全然意味がないからだ。 これまでにもごくわずかの人に対して勧めたことがあるだけだ。 これらの人たちは、自分でどこが役に立つか理解できると思ったから勧めたまでである。

その意味では、斉藤氏の著書は総じて非常にわかりやすく、それ1冊で初心者がシステムトレードの世界を無理なく理解し、間違った方向へ進むのを避けられる、入門書として優れたものなのだ。 そこでとりあげられている手法が1種類であることは問題にはならない。 むしろ、一般の投資家がたいした手間隙をかけずにできる手法を紹介しているということのメリットのほうが大きいのではないか。 私がこの本を推すゆえんである。

なお、蛇足ながら「ヘッジファンドの売買技術」の価値ある2,3行は、著者の考えを述べた箇所ではない。 興味のあるかたは探してみてください。




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この記事に対してのコメント

>>2,3行の記述は非常に高い価値
を、引用して紹介して頂けることを希望します。
2、3行の引用なら著作権に抵触しないはずです。
>>興味のあるかたは探してみてください。
より、直接ここに提示してくれた方が、時間とお金の節約になるし、大事な事は、その2,3行を個々の人がどのように考察するかであり、それをみんなで議論発展させるようなことにでもなったら素晴しいことではありませんか?

推薦図書のコメ欄見てちょっと面白かったですw
言ってることが全然伝わっていない事はままありますね。説明力が無いのか理解力が無いのか、はたまた本質的に言葉の意味なんて自身のレベルまでしか理解できないのか

僕は「ヘッジファンドの売買技術」読んで一切感銘は受けなかったので低レベル丸出しですね。

私の場合、印象に残ったのは255ページの真ん中あたりです

自分的には、11ページの「成功するシステムトレーダーを生むのはシステムそのものではなく、開発を続ける家庭なのである」という言葉に対し、印象を強く持ちました。

クエトレさん、255ページ立ち読みしてきました。
企業の価値はPERよりも将来のキャッシュフローといっている部分ですかね。
しかし、3行探すために6000円の本を買う気にはならんな。

「勝率80%の逆張りシステムトレード術」も「ヘッジファンドの売買技術」どちらも読みましたが、どちらもいい本だと思います。
斉藤先生の逆張りシステムは資金が少ないと、破産しますが、それを回避するための方法が、「ヘッジファンドの売買技術」に記載されています。
土屋先生が仰っている箇所はその部分ではないかと確信しています。
斉藤先生の逆張り手法を試して、うまく行かずに壁にぶつっかている人ならなば、一読すればその箇所に気づくと思います。


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